老いていく両親

母が75歳の誕生日を迎えました。一つ年上の父とともに後期高齢者の仲間入りです。

 

オータの両親は今のところ健康で、頭もしゃんとしています。有り難いことです。ただ、70歳を過ぎるあたりから年を取ったなあと感じることが増えました。年に1、2度しか帰省しないので、余計に意識してしまうのだと思いますが。

 

最近感じるのは、父の背がずいぶん縮んだこと、筋肉が衰えたのか全身が痩せて小さくなったことです。腕も腰も細くなって、服がだぶだぶに見えました。オータは背が高い方で、父とほぼ同じ背丈だったのに、最近はなんとなく見下ろすようです。あと、外ではすたすた歩くのに、家の中では動きが少しぎこちなく、ひょこひょこ歩いているのも気になります。少し腰が曲がってきたのかもしれません。

 

そして、父の指はさらに太くねじれて、特に人差し指は左右とも第一関節が膨らみ、あさっての方向に曲がってひどい有様になっています。指先が安定しないようで、血圧記録帳の震えるような文字を目にした時はショックを受けました。父は字が上手だったのです。拾ってきたどんぐりにふざけて描いた顔もがたがたで、真っ直ぐな線を引くのが困難なようでした。

 

 父はリタイヤ後、風呂掃除と皿洗いを担当しているのですが、帰省するたびに母が「また割ったのよ」とこっそり愚痴ってきます。物をつかみにくいのだから仕方ないと思うのですが、どうも母はそのことに気づいていないらしいのです。母が立てるちょっとした物音にすぐ反応して睨みつける神経質な父に対し、こうして愚痴を言うことで溜飲を下げているようでした。

 

父の変化を最初に目の当たりにしたのは5年ほど前のことです。オータが壊れたガラス細工の置物をいじっていると、しばらく横で見ていた父が「かしてみろ」と言い出しました。当時の父はリタイア直後で暇を持て余していて、人のやることなすこと口を出す印象でした。壊れたまま長いこと放置していたのに、人がいじっているととたんに興味を示して奪おうとする父に腹が立ち、オータは黙ってその場を離れました(父とはあまり相性が良くありません)。

 

次に帰省した時、そのガラス細工が飾ってありました。近くで見るとあちこち接着剤がはみ出し、接着面もずれていて、まるで子供の仕業のようでした。不恰好に修理されたのを見て、もっときれいに直せたのにと再び腹が立つ一方、父が自らの老いをさらしているようで悲しくもなりました。食事中に箸を落とすこともあるくらいなので、いちばん歯がゆいのは父自身だと思いますが、周りもそれを受け入れなければならないんだと心に刻みました。

 

母の方はそれほど目立った変化はありません。一日中くるくる働き、趣味も友達も多く、何事にも前向きな姿に、我が母ながら感心するばかりです。ここ数年で変わったのは、家計簿をつけるのを止めたこと、目がしぼんだように小さくなり、黒目の輪郭がぼんやりしてきたこと(老人環というらしい)、風邪をひきやすくなったこと、くらいでしょうか。

 

家計簿は50年近くつけていて、止めたと聞いて驚き心配したのですが、年金生活になって収入と支出の変動がなくなったと言うのでいちおう納得しました。体力や気力の衰えを心配したのですが、家計管理に問題はなさそうだし、日記はつけているので、単に面倒になったようです。もしかすると、半世紀続けてきたことを止める決断力の方がすごいのかも。

 

目が小さくなったのと老人環は仕方ないものの、目元がいかにも老人ぽく見えるのはアイライナーを止めたことが原因です。描くのが面倒になったのか、手元が見えにくくなってあきらめたのか。次に帰省した時に理由を聞いて、なんなら拡大鏡を買ってあげようと思っています。洗面台の電球を節約のために一つ外してあるのも、二つともつけるように説得するつもりです。オータですら暗くて鏡がよく見えないくらいなのですから。

 

子供のいないオータは帰省しても両親に甘えるばかりで、いまだに子供の役割をめいっぱい担当しています。同世代で親が鬼籍に入ったり、介護をする人が増える中で、感謝してもしきれないのですが、あと何回甘えらるのか、何回元気な両親に会えるのか、帰省するたびに切なくなるこの頃です。

 

初めての長財布

3年振りに財布を新調しました。毎年買い換える人もいますが、オータは長く使い続けるタイプ。3年は過去最短です。

 

新調しようと思ったのは、手元の財布があまり気にいっていなかったからです。今まで使った中ではダントツに高価なブランド財布(知り合いのマダムからのいただきもの)ですが、使い勝手がいまひとつでした。淡い色なので汚れが目立つようになってからは、「そろそろ」と「まだまだ」の間を行ったり来たりしていました。

 

なんとなく新しい財布を探し始めて数か月。理想は紳士用の薄くて軽くてシンプルな二つ折りですが、渋すぎるか派手すぎるかでなかなか気に入った色がありません。色柄が豊富で小ぶりな「小さいふ」に気持ちが傾いたこともありましたが、実物を見ると本当にコンパクトで、毎日小銭まで整理するくらいのまめさがないと扱えないとあきらめました。

 

その後、あるブログで軽くて使いやすいと紹介されていた財布に目が留まりました。いままで避けていた長財布ですが、色も素材も素敵で、日本製なのに価格も手ごろ。3ヶ月迷った末に購入しました。手元の財布の留め具が甘くなっていたので踏ん切りがつきました。

 

購入したのはL字ファスナーの長財布で、薄くて軽く、思っていたよりずっとずっと使いやすいデザインでした。ファスナーを開くワンアクションだけで、小銭、お札、カードを見渡せ、すべて片手で取り出すことができます。お釣りやレシートをしまうのもそのまま片手で済ませられます。

 

それまで使っていた二つ折りの財布は、小銭入れが外側についていたので、お札と小銭をいっぺんに見ることができないし、何かするたびに畳んだり開いたり向きを変えたりする必要がありました。そして、本体と小銭入れにそれぞれ留め具があったので、外したり留めたりする動作も必要でした。いまあらためて手にしてみると、ずいぶん面倒なことをしていたのに驚きます。知らないうちにかなりストレスを感じていたみたいです。

 

二つ折り財布はポケットやバッグに気軽に放り込めるコンパクトさが好みなのですが、半面、中身が見づらく取り出しにくく、会計時にもたもたしそうで気になっていました。スーパーではレジ待ち時間が長いので落ち着いて財布の中身を確認できるのですが、コンビニやドラッグストアではいつも焦り気味で、焦りの一因が財布の使いにくさにあることに思いあたったのです。

 

この先どんどん老眼が進み、手指が動かしにくくなるわけだから、こだわりはいったん脇に置いて、使いやすさを考えながら物選びをすることが必要なのだなあと感じます。小銭が楽に取り出せるようになったのが嬉しいオータです。

 

新しい財布はすっきりした状態を保つため中身を厳選しました。お金のほかに入っているのは、銀行カード、クレジットカード、免許証、図書館カード、唯一残したポイントカードの5枚だけ。レシート類もまめに取り出す習慣がつきました。まるで中身が入っていないようなぺたんこな財布にすっかりなじんでいます。

 

 

 

映画『海よりもまだ深く』

 

海よりもまだ深く [DVD]
 

 団地の狭い間取り、低い天井、ごちゃごちゃ感。

台風の夜、親子3人がずぶ濡れになりながら公園で探し物をするシーンが印象的でした。

映画が終わってテレビに切り替えると、偶然にも是枝監督がパルムドール受賞のニュース。

 

 

オシリガイタイ

半年ほど前のことです。トイレに長時間こもったのが原因で・・・痔になってしまいました。ちょっと迷ったのですが、今回は恥ずかしながらその時のことを書こうと思います・・・

 

オータは平日は朝6時半に起き、7時半にごはんを食べ、8時頃にお手洗いに行きます。掃除をしたりして体がしゃっきりした頃に朝ごはんを食べることで胃腸が刺激されるようで、この流れで生活している限りはお通じは順調です。

 

でも生活リズムが変わると途端にお通じが乱れます。週末も同じように行動すればいいのですが、のんびり起きて朝ごはんが遅かったり、お手洗いに行くタイミングを逃したりすると、その後はまったく催しません。

 

快便派のオータにとって、たった一日でもお通じがないのはおなかに爆弾を抱えているような気がして不安です。とくに旅行に出かけると何日も爆弾を抱えて過ごすことがあり、なんとかしようとトイレに長居して痔になったのが5年前のこと。薬局で軟膏を買ってしのぎましたが、痛みと不安で旅先の記憶があまりありません。

 

ちなみに、ここで書いているのは腫れる方です。それまで切れることはたまにあったのですが、40代になって初めて腫れるつらさを体験。数年後、忘れた頃にまた腫らしてしまい、3回目となった今回はあまりのつらさにとうとう病院に行きました。

 

そんなオータの発症から回復までの記録です・・・。

 

【発症当日】

三連休の最終日。3日もお通じがないのが気になり、外出先のトイレでつい長居してしまう。まずいと思った時には後の祭り。オシリに嫌な違和感が・・・。早々に帰宅して横になるけど、どんどん腫れていく感覚に恐れおののく。まだ痛みはあまりなく、悪化しないことを祈りつつ買い置きの軟膏(非ステロイド系)を塗る。血行を良くするといいらしいので、腰にカイロを貼って早目に就寝。

 

【2日目】

どんよりした痛みと違和感で寝たのか寝てないのかよく分からない。ああ、またやってしまった。大きく腫れたおできが圧迫されているようなどんよりした嫌な痛み。腰にカイロを貼り、化粧ポーチに軟膏をしのばせて出勤。

時間の経過とともに痛みが増し、居ても立ってもいられない不快感。椅子に座っているのがつらい。終業後に薬局に駆け込み、以前使って効果があった(気がする)メントール成分配合の軟膏(ステロイド系)を新たに購入。塗った直後はすーっとして痛みが和らぐ。なんとか効いてほしい。

 

【3日目】

寝返りを打つばかりで眠った気がしない。どんな体勢でも痛みと不快感がひどく、夜中に何度もトイレに行き、ウォシュレットを使って軟膏を塗る。メントール効果でしばらく気がまぎれるものの、すぐにじんじんと痛みがやってくる。 

過去2回と異なるのは、わずかだけど出血があること。前は3~4日で痛みが治まったので、今がピークと自分を励まして出勤。

が、そんな希望もむなしく、症状は悪化するばかり。座っているとじりじり痛み、少しでも体勢を変えると電流が走るような激痛。痛すぎて滑稽なくらいゆっくりとしか動けない。何度もトイレに行き、祈るような気持ちで軟膏を塗る。

 

夜は断りにくい約束があり、気を奮い立たせて待ち合わせ場所へ。出血のせいかどうか、信号待ちから歩き出す時、わずかな段差をまたぐ時など、それまでと違う動作をする瞬間、皮膚が裂けるかと思うような強烈な痛み。時間調整もままならず、45分前に到着してしまう。電流的痛みを避けるため、ひたすら周辺を歩き回る。

食事の間はなんとか我慢できる痛み。アルコールをゆっくりペースで3杯ほど。帰宅は23時頃。長い一日だった。

 

【4日目】

寝不足でアルコールも入っているのに痛みで眠れず。前日と同じく、うとうとしてトイレに行って軟膏を塗っての繰り返し。少し落ち着いたかと思ったのもつかの間、家を出るなり激痛がやってきた。数センチの段差を越えようとしただけで電流が走る。満員電車なので途中駅に着くたびに歯をくいしばっていったん下車。わずかな段差が恨めしい。出血はわずかだけど続いている。

会社ではオシリを刺激しないようにそろそろと移動。痛くて座る位置を修正したいのに、姿勢を変えようとすると激痛。それもオシリではなく、足の付け根あたりが痛い。出血が原因だと思うけど、どこから出血しているのか分からない。以前とは明らかに痛みの質が違うので不安が募る。

 

【5日目】

ようやく金曜日。わずかながら痛みがおさまってきた。眠りは浅いけど、前2日と比べれば少しましになった。何かするたびに電流が走るものの、痛みのピークは越えた感じ。土日おとなしく過ごせば週明けは痛みが引くんじゃないかと希望が出てきた。ただ、相変わらず出血がある。

 

【6日目】

ようやくようやく土曜日。週末恒例の拭き掃除は夫に頼む。立っても座っても横になってもぱんぱんに膨らんだおできが圧迫されているような不快感は変わらない。痛みもひどくてゆっくりとしか動けない。病院に行くことを考えるが、近所は土日休診ばかりだったのでいったん保留。

 

【7日目】

日曜日。昨日安静にしていたのに、期待したほど痛みが治まらない。出血も続いている。痛みと不安の中、義祖母への贈り物を買いにデパートへ。夫が元気のないオータにどら焼きを食べさせたいというので和菓子屋まで足を延ばす。いつもは健脚自慢だけど、ほんの15分の距離がひどい苦行。しかも人気店らしく並んで待つのがまたつらい。まだまだ歩き足りない夫を説き伏せ、寄り道せずに帰宅。

1週間経つのに腫れも痛みも引かないし、出血もある。気が重いけど、不安の方が大きく、病院の受診を決意。

 

【8日目】

痛みはピーク時の7割くらい。夜はあまり目が覚めなくなった。会社でも痛みをこらえつつ、オシリをかばいつつ、なんとか普通に動ける。でも電流は走るし、出血もある。何か別の病気かもしれないし、このまま不安を抱えて過ごすより、一時の恥ずかしさを我慢しよう!と意を決して病院へ。

終業後に駆け込んだのは最寄りから3駅ほど先のこぢんまりしたクリニック。待合室には若い女性が二人(普通に座っているけど仲間じゃないの?)。問診票に記入して、いざ診察室へ。中には50代とおぼしき男性医師と女性看護師。緊張して記憶があやふやだけど、問診2分、診察5分(うち半分は身支度)、説明10分ほどで、あっという間に終わる。注入軟膏と抗生物質を3週間分処方される。

 

【9日目】

受診した安心感からかよく眠れた。まだ痛みも不快感も強いけど、数日で癒えるはず。受診して良かった。

 

【10日目以降】

快方に向かって一直線。出血を見なくなったのは受診して1週間後(発症から2週間後)。健康のありがたみを噛みしめる。

 

 

以上がオータの体験です。

受診して2週間(発症から3週間)で痛みも腫れもほぼおさまりました。処方された軟膏は注入型で、1回の使用量がすごくたっぷりなことに驚きました。それまでは表面になんとなく塗っていたので、余計に治りが遅かったのかもしれません。

 

診察は恥ずかしいことは恥ずかしいのですが、いろいろ配慮されてるなあと感じました。着衣のまま横たわり、衣服をちょっとずらし、タオルをかけてもらって診察を待ちます。背後から診察されるので医師や看護師と目が合うこともなく、拍子抜けするくらい短い時間で終わりました。同じくらいの不安なら、オータは婦人科を受診する方が何倍も気が重いです。

 

ほかの病気は見つからなかったので、病院に行っても行かなくても3週間ほどで治ったのかもしれませんが、不安なまま過ごすより勇気を出して受診して良かったです。痛みや不安を我慢してつらい思いをしている人がいたら、そんなに恥ずかしいものでもないよと背中を押してあげたい。

 

ちなみに、夫には病院に行った後で打ち明けました。心配をかけたのでやむなく伝えましたが、言わなくて済むなら言いたくなかった・・・

 

 

カードを減らす

数年前からカード類の整理を進めています。使っていないたくさんのカードがなんとなく重荷に感じるようになったからです。両親の老いに伴って「終活」に関する情報を目にすることが増え、なるべく身軽にと思うようになりました。財布を軽くしたいのと、暗証番号が増え過ぎて管理しきれなくなったのも理由です。

 

これまで銀行口座やクレジットカードの解約をためらっていたのは、かつては印鑑1本で開設できたのがだんだん煩雑になってきたからです。万が一に備える気持ちで残しておいたのですが、いつになっても万が一はやってきません。インターネットやコンビニATMで簡単にお金がやり取りできるようになり、たくさん口座を持つ必要がなくなりました。

 

特典につられて作ったクレジットカードもメインで使っているのは1枚だけ。使い分ければお得なのかもしれませんが、オータには使い分ける力量がありませんでした。ポイントカードはたいてい期限内にたまらないので、新しく作るのはやめました。

 

そんなこんなで、銀行口座2つとクレジットカード4つを解約し、ポイントカードもほぼ処分しました。たまっていたプリペイドカードはせっせと使いきりました。

 

解約でいちばん面倒だったのは、公共料金や通信販売などの引き落とし口座の確認と引き落とし先の変更、そして暗証番号を間違えてロックされたのを解除する手続きでした。中には名義や住所を変えていないものもあったので、解約までの道のりははなかなか遠かったです。電話1本で済んだものがある一方、何度も窓口に出向き、当時使っていた印鑑を探し出してようやく解約できたものもあります。

 

むかしは暗証番号の使い回しは危険とされていたので、同じ口座でもカードと通帳で異なる番号を設定したりしていました。でも、あらゆるものにIDとパスワードを設定する時代になり、覚えるどころか、もはや管理するのさえ大変です。複数の暗証番号が必要だったり、数ヶ月置きにパスワード変更を求められるものもあるのだから、覚えきれるわけがありません。

 

オータは20年前からずっと同じエクセルファイルでIDとパスワードを管理しています。でも、流出を心配して内容をぼかしたり、忘れないだろうとタカをくくって入力をさぼっているうちに、あまり役に立たないものになっていました。

 

今回カード類を整理するにあたり、このファイルにあらゆるパスワードをまとめました。もしもデータが流出したり消失したりしてもその時はその時。ついでに毎日あちこちから届くニュースメールやお知らせメールの配信停止も進めました。旬なニュースもお得な情報も目を通さなければ意味がないのに、届くことで安心していたのです。配信停止にもパスワードの再発行が必要だったりと手間はかかりましたが、メールがずいぶん減ってすっきりしました。

 

結局手元に残したのは就職して初めて自分で作った銀行口座とクレジットカードで、かれこれ25年使い続けているものです。何周も回ってようやく落ち着くところに落ち着いた感じ。ほかに、地方でも利用しやすいゆうちょ銀行の口座を残しました。

 

思ったよりずいぶんと時間と手間がかかったものの、カードが減った現在は身も心も軽くなった気分です。実際、財布の中身がすっきりしたことで、不要なものが目に付くようになり、レシートなどを整理する回数が増えました。財布を買い換える時は今よりもっと薄くて軽いものを選ぼうと楽しみなこの頃です。

 

 

 

記憶力のもんだい

年を取ると記憶力が落ちると言いますが、記憶する力が落ちるというより、記憶する容量が減るんだなあと思うようになりました。もちろん記憶する力も落ちているのでしょうが、絶対に覚えなくてはならないことはそれなりに覚えられるので、優先度の低い事柄は記憶するためのタンクから溢れてしまって、なかったことになっているような気がします。

 

というのも、職場に新しく入った男性がびっくりするくらい色んなことを忘れるのを目の当たりにしていたからです。頭の回転が遅いとか仕事の難易度が高いとかではなく、それほど重要じゃないと(彼が勝手に)判断した作業は、すっぽり記憶から抜け落ちている感じでした。オータも新しい業務を覚える時はこんな感じなんだろうかと思いながら、その忘れっぷりに日々衝撃を受けていました。

 

彼は40歳くらいで、礼儀正しくて明るくて感じのいい男性です。転職エージェントの紹介で、複数の候補者の中から数度の面接を経て入社したので、きちんとした経歴と経験がある人なのだと思います。ちなみに会社がエージェントに支払った紹介料は250万円(!)でした。

 

オータは彼に一般的な事務仕事を引き継ぎました。会社独自のルールはあるものの、特別に難しい業務ではありません。スケジュールやマニュアルをわたし、横について手順を説明し、本人も自分用のマニュアルを作成していたのですが、ときどきルーチン業務を飛ばしていたり、教えたのと違うやり方で手間取ったりしていました。慣れるまで仕方ないと思うものの、説明するたびに「そうなんですか!」「初めて知りました!」と驚きつつお礼を言われ、先週も先々週もまったく同じ説明をしたな~なんて思うことが何度もありました。

 

ある時また「初めて」だと言うので、「自分用のマニュアルを作ってましたよね」と聞いてみると、確かにマニュアルはあるけど作成した記憶がない、と絶句していました。

 

一度や二度で覚えきれないのは当然だと思うのですが、彼の場合はあやふやとかいうレベルではなく、説明を受けたり作業したこと自体きれいさっぱり記憶から消えているのが印象的でした。ただ、同じ作業を4〜5回繰り返すと自分の中に定着するようで、それ以降は問題ありませんでした。

 

そんな彼を見ていて、オータも40歳で転職した時、仕事がなかなか覚えられなくて苦労したことを思い出しました。繁忙期に入社したため、あらゆる業務がいっぺんに降ってきて、頭の中は常に大混乱していました。仕事が覚えられず理解できず、理解できないから順番がつけられず、順番がつけられないから効率が悪く、たまっていく膨大な仕事を前に苦しい日々を過ごしました。

 

そんな時、当時50代の上司が口にしたのが「この年になるとなかなか覚えられないから仕方ないわよ」という台詞でした。

 

オータはそれまでにも何度か転職していましたが、ほぼ同じ業界だったため、新しい職場でもとくに苦労しませんでした。でも、40歳で飛び込んだのは未知の世界。それまでの経験や知識は何の役にも立たず、周りがみんな賢く見え、自分の要領の悪さ、記憶力の悪さに落ち込んでいました。上司の言葉を聞いて、覚える力が落ちたんだ、と初めて気付いたのです。

 

上司は非常に厳しい人でしたが、ぼろぼろなオータを見るに見かねてなぐさめてくれたようでした。そんなオータも反復効果で少しずつ仕事が頭に入り、2年目にはなんとか自分のペースでできるようになりました。後になって、上司もオータが担当した業務を覚えるのに相当苦労したと聞きました。

 

オータはもともと記憶力に自信がありません。若い頃から自覚しているので、忘れてはならないことはあちこちにメモしてなんとか乗り切ってきました。パソコンの中のメモ帳やカレンダーに書き込んで、重要な予定はアラートを設定したり、自分宛にメールを出して未開封のままにしておいたり。机の周りにも付箋やメモを貼っていますが、心配な時は携帯電話に付箋を貼り、もっと心配な時は自宅の玄関に張り紙をしています。

 

あちこちにメモすると一応安心するのですが、メモしたことを忘れてしまい、自分で設定したアラートにびっくりすることもままあります。いまは大切なことはデジタルとアナログを組み合わせて3〜4ヶ所にメモしていますが、そのうちもっともっと増えるかもしれません。上司の言葉が身にしみます。

 

このブログも、自分自身の状況を大まかに記録しておけば後で役に立つかも、というところから始めました。もう少しマメに投稿するつもりだったのですが、老いネタはたくさんあるのに、書くスピードがまったく追いついていません。それでも、文章を考えたり言葉を調べたりするだけで多少は頭の体操になっているはず、と自分をなぐさめたり励ましたりしています。

 

枯れた首に保湿を

倉本聰脚本の連続テレビドラマ「やすらぎの郷」をようやく見終えました。シニア層がターゲットというだけあって、ストーリーがとにかく分かりやすい! 冒頭で前回までのあらすじをおさらいしてくれるし、登場人物が役者のイメージに似せた設定で覚えやすいし、ちょっとドタバタした演出やBGMが懐かしい感じで、気楽に飽きずに見ることができました。本編の途中にCMが入らないのも良かったです。

 

主要キャストの平均年齢が75歳を超えているそうですが、どなたも現役の超大物俳優だけあって、肌も髪も指先も美しいなあ、若々しいなあと感心しまくりでした。

 

そんな中で唯一気になったのが首です。顔や髪はいくらでも美しく見せられるけど、首は年齢が隠せないところだとしみじみ思いました。というのも、オータ自身が首の衰えにがっくりしていたところだったからです。

 

寒がりなので冬は襟付きのシャツに首元の詰まったニットを着ることが多いのですが、この冬はちょっと気分を変えてボートネックのニットを買いました。少しラメの入ったオフホワイトの柔らかな色味です。夏にカラー診断を受けて似合う色を教わったので、明るい色の服を試してみたかったのです。

 

先日初めて着用して鏡を見てみると、白ニットのレフ板効果で首の皮膚がかつてないほどはっきり映っていました。ふだん気に留めていなかった耳から肩にかけての肌をまじまじと見て思ったこと。

 

なんだか枯れている…。

 

そのまま会社に着ていくのがためらわれるほど、首の老化に衝撃を受けました。着替える時間がなかったので着て行きましたが。

 

オータは首の横じわはあまり目立たないものの、1年ほど前から首をねじった時にすじっぽい縦じわができるのが気になっていました。老化だから仕方ないと思っていましたが、今回驚いたのは、潤い不足とぽつぽつと発生したいぼのせいで、横じわがなくても老けて見えたことです。

 

慌てて検索してみると、いぼは代謝が落ちて古い角質がたまったり、乾燥、紫外線、摩擦などの刺激によってできるとのこと。思い当たることだらけです。

 

今まで意識して首の手入れをしたことは一度もありません。べたつくのが嫌で保湿すらほとんどしたことがないのですが、保湿と日焼けに気を付ければ多少は改善されるのかしら…。いぼにはハトムギに含まれるヨクイニンがいいとか、にがりが効くとか、専用のクリームがあるとか聞きますが、まずは保湿から!

 

というわけで、顔の延長で保湿をするよう心がけて約3週間。枯れた感じはなくなりました。肌につやが出てきたらいぼも少し目立たなくなったみたい。保湿するついでにリンパマッサージもして、心なしか肩凝りが軽くなった気がします。これからも続けよう。

 

暖かくなってマフラーをしなくなったら、日焼け止めも塗った方がいいんだろうなあ…。